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広大地評価のリスク

事前に知っておきたいこと。
国土法は2000㎡以上を届け出義務地積としている。これに対して市町村の開発許可対象地積は500㎡や1000㎡以上とするものが多い。国税当局の対応は2000㎡以下の土地については道路を設置することなく土地の細分化が可能ならば広大地評価の適用を認めない傾向がある。 判例は国税の考え方を支持する。
行政の方針は、土地の細分化の内容を検討することなく道路の新設なくして土地の細分化が可能ならば原則、広大地評価を否認する対応を採っていると思える。このことは戸建分譲業者が生活快適性を重視する細分化を図ることと矛盾し、市場実態からは問題である。
広大地評価にを適用できるか否かを検討するから、相談してもらいたい旨の営業がネットで良く見られる。
通常、一般国民は司法は正しく公平な審判を行ってくれるものと期待し司法を信頼しているが、一般庶民と国(国の機関)とを平等に取り扱うはずはなく、原則として司法は行政が「憲法違反」及び「最高裁判例無視」を行わない以上、承服しがたい行政のやり方でも司法が一般国民を救うことはないと考えた方が正しい。
 広大地評価は市町村が規制する開発要項基準での500㎡等の規模でも認められると考える人々に警鐘をならしたい。広大地評価に拘ることは税務当局の手の内で争うことに他ならない。
広大地評価を認定するか否かは税務当局の判断項目に当たるから、これの認定の誤りに付き司法の場で争っても殆ど全部が敗訴するであろう。
だから当社は2000㎡以下の土地なら広大地評価に拘らない。あくまでも不動産鑑定評価基準に基づく鑑定評価を行うことに心掛ける。何故なら「広大地評価」は不動産鑑定評価基準における「開発法に基づく価格」に他ならないからである。言い換えれば広大地評価による価格と開発法による価格とは殆ど差がないのである。

不動産鑑定士は不動産鑑定評価基準に基づく鑑定評価を行うことを法で決められているから、法に基づき開発法による価格をもって評価額としても税務当局はこれを否認できないからである。
仮にこの価額を認めず訴訟となった場合、税務当局は国が定めた鑑定評価制度を否認したと反論すれば如何に国に味方する司法でも庇いきれない。鑑定評価制度を否認することは税務当局の認定事項とは成らないからである。
このようなことを記載するのは、税務当局が期待する税額以下の納税をされることを国税は快く思わないからである。因みに当社は20年以上、鑑定評価額を税務当局から否認されたことはない。
a_ilst004 広大地評価を適用して相続対象の土地を安く評価できますか。
質問:
(1)私が相続する予定の土地は700㎡の地積です。市の開発指導要綱によれば500㎡以上は開発対象地積となっています。
(2)面大地に適用できる「広大地評価」を行って土地評価を安くすることができますか。尚、対象地は概ね正方形に近い形状で、新規に道路を新設しなくても150㎡程度に土地を細分化出来るかもしれません。区画図面を作成してみなければ正確にはわかりません。
(3)とりあえず、市が提示する開発対象地積以上の面大地で、土地を細分化して売却しなければ総額が貼るため、容易に現金化できないことは確かです。

個人的回答:
土地の最有効使用を前提とする評価を、「不動産鑑定評価基準」は不動産鑑定士に求めていますが、最有効使用とは土地の価格が最も高く評価できる土地利用をいいます。
歪な形状でも道路の新設を行わなければ「開発行為」に該当しないため、課税当局は広大地評価の適用を否定すると思います。近時の判例はこれを支持しています。
歪な形状で住宅環境に劣る土地ならば不動産市場では、当然に販売価格も低くなります。結果として土地の価格は、新規に道路を新設し良好な住宅地を形成した方が、良好なまちづくりに貢献し、開発指導要綱を作成した行政の意向にも合致します。
同時に不動産鑑定評価基準の考えかたとも合致します。そうであれば不動産鑑定士は開発指導要綱に沿って土地の細分化による土地評価額を査定する者が多数でしょう。
但し、国税評価では広大地評価が適用できなければ著しく高い従来評価となるため、その税額格差が大きくなることとなります。

個人的には納得しがたい判例でも、これを無視し広大地評価を適用すれば、後日追加納税を余儀なくされる可能性も生じますので、広大地評価手法を避け、「開発法」による評価手法を私ならば選択します。(開発法の適用は税理士には許されていません。)元々、広大地評価は開発法の簡便手法と思われるので、結果としての評価額は広大地評価手法を適用した場合と大きくは変わりません。
ここで実務上重要なのは、広大地評価より幾分でも高い評価を出すことです。依頼者から見れば後日多額の追加課税を求められ、土地の売却で資金調達するよりはるかに利があります。

又、不動産鑑定評価基準では、土地を細分化することが最有効使用と判定した場合、開発法を適用することを義務付けているため、不動産鑑定士が鑑定評価基準に沿った評価を行ったことにつき、これを国税当局が否認することは困難と思えます。

参考:
広大地の評価における「著しく地積が広大」であるかどうかの判断
【照会要旨】
広大地の評価において、評価対象地の地積が「著しく地積が広大」であるかどうかはどのように判断するのでしょうか。
【回答要旨】
評価対象地が都市計画法施行令第19条第1項及び第2項の規定に基づき各自治体の定める開発許可を要する面積基準(以下「開発許可面積基準」といいます。)以上であれば、原則として、その地域の標準的な宅地に比して著しく地積が広大であると判断することができます。
なお、評価対象地の地積が開発許可面積基準以上であっても、その地域の標準的な宅地の地積と同規模である場合は、広大地に該当しません。
[面積基準]
イ 市街化区域、非線引き都市計画区域及び準都市計画区域(ロに該当するものを除く。) ・・・都市計画法施行令第19条第1項及び第2項に定める面積(※)
※(イ)市街化区域
三大都市圏  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 500
それ以外の地域 ・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1,000
(ロ)非線引き都市計画区域及び準都市計画区域  ・・・・・・・・ 3,000
ロ 非線引き都市計画区域及び準都市計画区域のうち、用途地域が定められている区域・・・・・・
・・・・・・・・・市街化区域に準じた面積
(注) 1 都道府県等の条例により、開発許可面積基準を別に定めている場合はその面積によります。
2 三大都市圏とは、次の地域をいいます。
首都圏整備法第2条第3項に規定する既成市街地又は同条第4項に規定する近郊整備地帯
近畿圏整備法第2条第3項に規定する既成都市区域又は同条第4項に規定する近郊整備区域
中部圏開発整備法第2条第3項に規定する都市整備区域
3 「非線引き都市計画区域」とは、市街化区域と市街化調整区域の区域区分が行われていない都市計画区域をいいます。
4 「準都市計画区域」とは、都市計画区域に準じた規制が行われ、開発許可制度を適用し、用途地域、特定用途制限地域、風致地区などを定めることができる都市計画区域外の区域をいいます。
【関係法令通達】
財産評価基本通達 24-4
都市計画法施行令第19条

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